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 技術者のための半田付けTips 半田付け&除去
技術者のための半田付け方法を動画で紹介しています。最近多くなった面実装部品を主に扱っています。
ズーム撮影で映像が少し見にくかったりしますがご参考にどうぞ。


一般的に糸半田の基本的な特性は次のようになっています。

 ○ 温度が高くなって溶けないと流れない
 ○ 溶けても粘性があって玉状になる
 ○ 溶けた状態で時間が経つとフラックスが飛んで粘りが増す

と言うことで、半田する部分を素早くコテで高温にして半田を流し、行き渡ったらすぐにコテを抜くときれいに仕上がります。
コテの形状は、細くなると熱が伝わりにくいため、少し太めの斜めカットされているタイプがお勧めです。
(斜めカットの方が、狭いピン・電極の間に入れやすいため)
面実装の部品でも極細のコテを使わずに半田付けが可能です。

コテの使い方も重要で、コテ先を点で接触させるより面で接触させた方が素早く加熱することができます。
実装する部品やランドに合わせて調整します。例えば、大きなランドやGNDなどは、接触面積を大きくすると
加熱も早くなってきれいな仕上がりとなります。
部品を取り外す場合は、さらにコテ先を傾けて加熱部分の面積を増やすとうまくいきます。

半田ゴテは、温度制御付きのセラミックタイプを使っています。(高級なものでもありません)
長時間デバイスに熱を加えたりすることもありますが、20年以上の開発の中でそれで壊れた経験はありません。
(確かに規格上はあまり良くはありませんので、保証はできませんが)
どちらかというと、熱によるランドはがれが気にかかります。基板の製造業者によって接着剤が強かったり
弱かったりします。何れにしても、ランドにはあまりストレスがかからないようにするのがベターです。

半田付けは、半田付けすること以上にうまく配置することが大事だと思います。作業しやすいように、
基板と部品の位置を考えて固定できれば、後が非常に楽になります。それに合わせてコテや
ピンセットも肘や手首で固定しながら行うと安定した半田付けができます。

高周波回路では半田付けは非常に重要です。半田の量や形で特性が変化することもあるため特に注意が必要です。

DIPタイプのIC

・実装方法
DIPタイプのICは、比較的熱の拡散が早いため太めのコテを使用します。熱容量の少ないコテでは、半田がうまく行き渡りません。足の部分にコテを当てて、温度を上昇させたところで半田を流します。GNDなど熱が奪われやすい箇所は、少し長めにあたためます。

1608サイズの抵抗

・実装方法
最初に片側のランドに予備半田をしておきます。予備半田を溶かしながら抵抗を固定します。続いてもう一方の電極にも半田を流して終了です。ここで、仕上げが良くない場合は、両電極を再度あたためて半田を溶かします。その後コテを抜くと表面張力で抵抗がランドに収まりまり、半田もきれいに流れます。半田の量が多すぎたときは少しコテで拭います。
・除去方法
半田ごてを斜めにして両方の電極を温めます。半田が少ない場合は追加して加熱します。半田が溶けたところで、ピンセットで取り去るかコテ先で抵抗を移動させて除去します。このとき半田を少し多めに使うのがコツです。半田が溶けないうちに無理に力をかけないようにします。
・半田の除去
必要に応じて半田を吸い取り線で除去します。加熱が足りないと吸い取り線がランドに付いてしまいますので注意します。無理に引っ張るとランドがはがれてしまいますので、あまり力をかけずに拭き取ります。
1005サイズの抵抗

・実装方法
基本的に1608サイズのものと同様ですが、部品が一回り小さく軽いので注意して行います。

・除去方法
1608サイズより小さいので、両電極を加熱するのはやり易いと思います。
・半田の除去
こちらも1608サイズと同様に力をかけずに行います。
3216サイズの抵抗アレー

・実装方法
最初に片側のランドに予備半田をしておきます。予備半田を溶かしながら抵抗アレーを固定します。反対側も半田を流しますが、位置がずれた場合は、両電極の半田を融かして、表面張力で抵抗アレーをランドに収めます。
・除去方法
抵抗アレーの両電極を加熱して外します。
・半田の除去
抵抗アレーを取り除いた後のランドをきれいにします。吸い取り線を無理に動かさず、半田を溶かしながら行うのがコツです。ランドが熱ではがれないように、力をかけずに行います。
SOPパッケージのIC ハーフピッチ (8ピン)

・実装方法
SOPパッケージは、面実装の中でも比較的ピンの間隔が広く半田付けも行いやすい方です。位置決め用に一つのランドだけ予備半田を行います。ICをピンセットで抑えながら予備半田を溶かしてそれぞれのピンがランドの中央に来るように位置決めを行ったところでコテを外します。これで位置決めが終わりましたので、後は残りのピンを順に半田付けしていきます。GNDなど熱が奪われやすいランドは長めに加熱してから半田を流します。
・除去方法
両側のピンに半田を盛り、交互に加熱することで除去します。半田ごて2本でもOKですが、このような取り方もできます。
・半田の除去
ICを取り除いた後のランドをきれいにします。吸い取り線を無理に動かさず、半田を溶かしながら行うのがコツです。
・ICのピンの半田除去
ICのピンに残った半田を除去します。吸い取り線でもOKですが、ピンの上から下まで半田を流しながら移動することでもきれいにできます。
SSOPパッケージのIC 0.65mmピッチ (16ピン)

・固定ツール
今回は、固定ツールを使って作業を行ってみます。ラジオペンチの先につまようじを取り付けて部品の抑えに使用します。動画では、つまようじの先だけ折って使用していますが、そのままの長さでOKです。(撮影用に折りました)
・実装方法
固定ツールを使ってICを位置決めしてから半田を流しています。SSOPということもあってピン間が狭いですので、一旦半田を盛った後で除去する方法にしました。動画は、半田を盛るところまでです。
・実装方法 続き
半田を盛った後に除去するところです。吸い取り線を使って順に半田を吸い上げます。最後の仕上げの際は、吸い取り線にある程度半田が付いている(新しくない)方が、必要以上に半田が吸い取られなくてきれいに仕上がります。
・除去方法
SOPの場合と同じように半田を両側のピンに盛った後、交互に加熱して除去します。半田ごての熱容量がある程度大きくないと、両方の半田を同時に溶かすことができません。
・ICのピンの半田除去
SOPと同じように半田を流しながら除去します。SSOPでもきれいに除去できます。
TQFPパッケージのIC 0.8mmピッチ (44ピン)

実装方法
TQFPの場合も固定ツールを使用します。コテ先でICがずれてしまう場合は、固定ツールを重くするか、テープでICの半分を基板に貼り付けて、出ている方の足を半田で仮固定する方法もあります。仮固定できたら、各足に半田を盛ります。
・実装方法 続き
盛った半田を除去します。吸い取り線でも良いのですが、ピッチ間が広い場合は、この方法が使えます。基板を斜め下に持ち上げ、上から下のピンへコテを当てて、半田をコテ側に流しながら落とします。太めのコテを使用するとうまくいきます。
・実装方法 続き
上の方法で取り切れなかった半田を、吸い取り線で除去します。
・除去方法
各ピンに半田を盛った後、2本のコテで交互に加熱して除去します。半田ゴテの熱容量がある程度大きくないと、全ての半田を同時に溶かすことができません。
・半田の除去
SOPの場合と同じように吸い取り線を加熱して除去します。ランドがはがれないように注意して力をかけずに行います。吸い取り線は、ランドの長手方向に動かすとショートやランドはがれの防止になります。
QFNパッケージのIC 0.65mmピッチ (44ピン)

実装方法
ピンが出ていないパッケージの半田付けです。ランドの形状にもよりますが、半田ゴテで実装することも可能です。パッケージの固定〜仮半田は他のICと同様です。こちらも比較的太めのコテで行うときれいに半田付けできます。
・実装方法 続き
基板を垂直に持ちながらコテ先をピンの上から下に移動して、余分な半田を除去します。TQFPに比べてショートしにくいため、吸い取り線で後処理しなくても良い場合が多いです。
・実装方法 続き
半田付け後の様子です。
ピンフレーム メス (2.54mm ピッチ)

・実装方法
基板を持ち上げながら、ピンフレームを密着するように押さえて、2点ほど仮止めします。その後、順に半田付けを行います。基板とピンをコテ先で十分暖めてから半田を流します。
・除去方法
プライヤーやラジオペンチなどで固定ツールを作ります。ある程度重い方が安定します。もちろんバイスでもOKです。下から固定ツールでピンフレームを挟み、半田を盛ります。その後全体的に半田を融かしながら基板を持ち上げてコネクタを引き抜きます。
・半田の除去
ピンフレームを取った後、ランドの半田を除去します。コテを無理に動かさず、半田を溶かしながら吸い取り線で吸い取ります。
・ピンフレームの半田除去
ピンフレーム側の半田も除去します。太めのコテ先を使用して、一気に半田を融かして落とします。やけどをしないように、注意しながら下からコテをあてて除去します。
ケーブルの半田付け

ワイヤストリッパでケーブルの被服をはがして、予備半田したあと基板に取り付けます。
ケーブルを基板にうまく固定して、半田付けを行います。
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